書こうと思うのだが、あまりの急激な状況の変化に、正直放心状態である。
そして、私はこの展覧会を見ていない。暑くて出かけられないなあ、でもなんだか面白そうだから秋になったら見に行こうか、と思っていたらたった3日で中止のニュースがきた。
残念だし、がっかりである。しかし怒り心頭なので、とりあえず書いてみる。
脅迫に屈した悪しき前例を作ってしまった。これから先、美術館や博物館の展覧会で展示の自主規制が行われやしないかと思う。まさにこれから先、表現が不自由になってしまわないかと表現者の1人として危惧する。
この展覧会は、確か過去に別の展覧会で展示中止となったり制限がかかったりした作品を集めた展覧会だったはずだ。それだけに多少抗議されるのはおり込み済みだったはずだ。
しかし事態ははるかに酷いものだったようだ。河村名古屋市長は視察に来て少女像の作品の撤去を求め、菅官房長官は補助金打ち切りを示唆した。検閲である。日本国憲法第21条2項「検閲は、これをしてはならない。」に違反する行為である。
そして「ガソリン携行缶をもってお邪魔します」というFAXが来たらしい。脅迫である。しかも先の京都アニメーション放火殺人事件を想起させる実に悪質な脅迫である。これを書いている現在、まだ逮捕されたという知らせは入っていない。早く逮捕してほしい。
かくして「表現の不自由展・その後」は中止に追い込まれた。
関係者も恐怖に思ったであろうから、あまり責めたくないが、3日で展覧会ごとやめてしまったのにはやはりテロに屈したとしか言いようがない。そして、河村名古屋市長や菅官房長官の恫喝は決して許されるものではない。権力者の暴力的そして扇動的な脅しは許されてはならない。
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